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有効な感染症対策とは ? ①

更新日:2月14日


何故感染対策に手洗いが有効なのか

感染症の原因は空気感染、飛沫感染、接触感染の三つに分類される。特に約8割が接触による細菌等の伝播が原因であるとされている。

米国CDCの感染症対策のガイドラインに於いても感染症対策は手洗いの励行と汚れの清拭が強く推奨されているが、これ等の事と併せて対象となる手が接触す相手の細菌の伝播の遮断が可能であればより有効な対策となると考えられる。一般には手を奇麗に洗う事により細菌等を除去する事が細菌の伝播を遮断するために有効であるとされている。しかし、当然の事ながら実際は何かに触るたびにその手をその都度奇麗にすることは不可能であるため、対策としては十分であるとは言えない。

考えられる方法としては、手が触る下記づに示すような相手に常に細菌等が居ない環境を作ることが出来れば細菌の伝播は遮断できることになる。



        手の接触による細菌の伝播の概要


抗菌剤の種類と用途

抗菌剤は大きく分けて有機合成剤・金属及び金属塩・その他自然由来のバイオベースの抗菌剤が有る。また、抗菌剤は医療・食品・農業・畜産・養魚等の市場において我々の生活環境全てにおいて必要とされている。しかしその殆どが水系であるため効果が一過性であると同時に毒性が有るため使用量の制御が重要になる場合が多い。また、これ等の特性は環境に負荷を与えるため環境を汚染するとして問題視される事が多い。

  抗菌剤の分類

  ◎有機合成剤 :4級アンモニュウム化合物・ポリヘキサメチレンビグアナイト・トリ

          クロサン・亜鉛ピリチオン

             註) 有機合成の抗菌剤、殺菌剤は市場の約55%を占めている。 

  ◎金属及び金属塩 :銀・銅・亜鉛・その他

  ◎自然由来の抗菌剤(バイオベース) :キトサン・その他


              環境汚染の循環 


細菌等の伝播を遮断に必要とされる実用的な抗菌剤の特性

◎毒性の無い人体に影響のない抗菌剤が必要である。

   生活環境に密接した部材は、継続して長期に使用される場合が多いため

   基本的に作用効果以前に人体に対して無害で安全である事が高度に問わ

   れる。例えばFDAでデバイスとして承認を得る場合は、一般に生体適合

性をクリアーする必要が有る。具体的には細胞毒性、皮膚刺激性、感作

性である。特に細胞毒性に関しては毒性のクラスが4段階ある中で毒性

が無いと判断される1をクリアー出来る抗菌剤は極めて少ない。

◎非溶出系の環境に負荷のかからない抗菌剤が必要である。

   前述の様に、世界で使用されている約55%が有機合成による水系の抗菌剤

   である。これ等は多くは毒性が有り、水に溶ける事により機能するため環

   境に対する負荷は避けられない。

   感染対策のためには個体で非溶出系である必要が有り、この事により初

   めて環境に対する負荷を回避すると同時に、抗菌剤に細菌等が接触する

事により継続して抗菌が可能 になる。抗菌効果に継続性が有れば最初の

   増殖する前の僅かな細菌数の抗菌が容易に可能である事から、感染対策

のためには必ずしも即効性は必要ないと考えられる。    

   ◎耐性菌が出来難い抗菌剤が必要である。

    感染対策の治療には抗生物質は必須であるが、多くの耐性菌は抗生物質を

    安易に多用にするため発生すると言われている。また、抗生物質は畜産、

    養魚場でも多く使用されており、効率を重要視するためこれらの抗生物質

    の削減は問題提起はされているものの容易に実現はしていないのが現状で

    ある。

    耐性菌は、既に病院に止まるのみではなく、市中に拡散されていると言わ

    れており、市中感染という言葉が最近多く使われている。免疫力が低い人

    に取っては極めて深刻な課題である。また、製薬メーカーが膨大な時間と

    資金を投入して抗生物質を開発しても早期に耐性菌が出来る事により開発

    資金の回収が出来ないため開発をためらう事が多くなっている事も、G7

    主要国サミットでも抗生物質の枯渇が指摘されている。

    参考まで最近の米国で開発された抗生物質の開発件数に付いてグラフを下

    記に示す。直近の4年間でFDAに登録された抗生物質は僅か2件にとどま

    っている。  

          米国に於ける抗生物質の開発状況  


    耐性菌の発生を防ぐためには、継続性の抗菌剤が有れば増殖前の菌数の少

    ない段階でほぼ完全に死滅させることが可能であると考えられるので、非

    溶出系の抗菌剤の開発が重要になる。


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