AbedulAg+とは
米国のFDAの認証を想定した場合、殺菌剤に要求される特性は次の項目が必要になると思われます。
1、環境に対して負荷が無い
2、継続した殺菌効果(99.9%)
3、生体適合性(細胞毒性・感作性・皮膚刺激性)の問題が無い
4、活性種が新規物質でない(新規物質の場合はEPAで確認が必要となる)
5、ナノパーティクルの課題が無い(リスク査定が必要)
6、臨床的な実証が必要である
「AbedulAg+」は非溶出系であるため環境に負荷が無い、繊維に加工した場合300回の洗濯でも99.9%の殺菌効果が有る。このため、再加工の必要が無い事は極めて特徴的に事です。また生体適合性においては細胞毒性が無い事が確認されています。特に重要なことは活性種として、EPA及びFDAにおいて先行事例として既に承認されている銀イオンが用いられていることです。
●継続性殺菌特性の検証
殺菌効果の継続性を確かめる確かな基準は無い。このため、便宜上繊維加工品の洗濯回数による殺菌効果を確認する事で殺菌の継続効果を示す事とした。所謂、通常大量に流通している化学合成殺菌剤を用いた「抗菌繊維」は20回から30回の洗濯で殺菌効果が無くなると言われている。
●洗濯条件
SEK マーク繊維製品の洗濯法
文書整理番号 JEC 326
一般社団法人繊維評価技術協議会 製品認証部
適用範囲のうち、抗菌防臭加工、制菌加工の一般用途、光触媒抗菌加工、抗かび加工、抗 ウイルス加工、消臭加工、光触媒消臭加工、防汚加工及び紫外線遮蔽加工を施した各繊維 製品に用いる。
1,使用洗濯機
JIS L 1930(繊維製品の家庭洗濯試験方法)の装置及び材料に規定するC形基準洗濯機-垂 直軸・上部投入形(パルセータ式)に準じる全自動洗濯機を使用する。当該洗濯試験に使用する洗濯機は、前記以外の加工を施した繊維製品の洗濯に使用してはならない。
2使用洗剤
「JAFET標準配合洗剤」(ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びアルファオレフ ィンスルホン酸ナトリウムを配合)を使用する。 注:JIS L1930 に規定する標準洗剤は使用しない。
3負荷布
(1) JISL 1930(繊維製品の家庭洗濯試験方法)の附属書Hに規定するⅢ型ポリエステル 負荷布を使用する。但し、
上記以外の加工を施した繊維製品の洗濯に使用した負荷布を使 用してはならない。
(2) 負荷布を繰返し使用する場合、使用の都度、煮洗いを行い十分にすすぐ。
4 洗濯機械力の調整
C形基準洗濯機-垂直軸・上部投入形(パルセータ式)に準じる全自動洗濯機を使用する 場合は、使用する洗濯機の洗濯条件をJIS L 1930附属書Fに規定されている洗濯方法C4G に合わせる。
(注1)JIS L 1930(繊維製品の家庭洗濯試験方法)に規定する洗濯方法C4Gでの洗濯1回 時の平均的な洗濯機械力が、この値に相当することを確認している。
5 WATクロスを用いた洗濯機械力の測定方法
WATクロスを用いた洗濯機械力の測定はJIS L 1929「洗濯機械力測定用試験布(WATク ロス)」の附属書A(参考)WATクロスを用いた洗濯機械力試験方法に準じて行う。但 し、2.4に記載した洗濯機械力の調整を行う場合は、浴比等が調整された洗濯条件で洗濯機 械力の測定を行う。
6洗濯方法
(1)洗濯は2.4にて洗濯機械力を調整した洗濯条件で行う。
(2)使用する洗剤は「JAFET標準配合洗剤」とし、水30L(注1)に対して40mlの割 合で「JAFET標準配合
洗剤」を添加して洗濯液とする。
(3)洗濯回数はSEKマーク繊維製品認証基準別表第1の該当する認証マーク及び製品 区分の洗濯回数、又は申請
する洗濯回数となるように繰返して実施する。 (注1)使用水は水道水、井戸水、工業用水のいずれでもよ
い。
7乾燥方法
(1)繰返し洗濯を行った後で乾燥を行う。
(2)乾燥方法は、直射日光の影響を受けない状態でつり干しまたは平干しを行うことが 原則であるが、乾燥機等の
機器を使用してもよい。
(3)乾燥機を使用する場合には、上記以外の加工を施した繊維製品を一緒にしない。
(4)乾燥温度は80℃以下とする。
●特徴
・塗料化、あらゆるものの表面に容易に被膜の形成が可能です。
・繊維に加工した場合99.9%の殺菌機能が継続します。
・抗菌効果に継続性があるため耐性菌が発生し難いです。
・繊維に加工した場合300回以上の洗濯に耐える、再加工が不要です。
・設備投資する事なく既存の染色工場でロール生地原反への加工が容易です。
・生体適合性(細胞毒性・皮膚刺激性・感査性)の問題無く安全な殺菌剤です。
・酸化チタンにAgイオンが高濃度で固定、再溶出が無く環境負荷が殆どありません。
・ナノシルバーによる環境毒性の問題がありません。
・溶出系の殺菌剤と異なり、水に溶け出さなくとも接触表面で殺菌効果が継続して発生します。
・活性種が電気分解によるAgイオンです。FDAで安全性・有用性が承認確認されています。
・繊維加工した場合ナノシルバーが使用されていないため黄変に変色することはありません。
●活性種である銀イオンの安全性
-
米国環境保護庁(EPA)は2009年6月10日、食品中の銀残留基準値に関する規則を公表。飲食施設、乳製品及び食品加工施設で、食品接触面の殺菌剤として銀イオンを含有する溶液を使用した場合、その溶液で処理した最終製品中の銀イオンの最終含有量が50ppmを超過しなければ、食品中の銀の残留基準値の設定 を免除する事が決定されました。
-
米国食品医薬品局(FDA)では飲料水中に100ppbまでの銀イオンの含有を許容しています。
●塗料による汎用性と低価格を実現
感染症の原因は約8割が接触による細菌の伝播と言われております。
伝播の原因は主に手の接触によるものと考えられます。従って、手洗いの励行と併用して、手が触る場所の細菌を継続的に殺菌して伝播を遮断する事が対策に有効であると考えられます。多くの商材の表面に加工が容易な汎用性の有る塗料化は感染症のリスク軽減のためにはとても重要な要素となります。用途の代表例として身の回りに多用されている感染リスクが大きい繊維と位置付けました。
銀イオンは古くから殺菌剤として利用され、米国FDAでも安全性が確認されています。しかし、水系であるため効果が一過性で有ると言う事と貴金属で高価であると言う課題が有りました。
「AbedulAg+」は非溶出系の材料設計のため、継続性がある事で低価格化が図られている事が大きな特徴となっています。